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前回、マラソン金メダリスト野桐のドーピングを確証した紐倉とその助手高家は、WADA(世界ドーピング防止機構)の検査員に扮して、東京国際マラソン直前の野桐を訪ねたのでした。
真相は紐倉の手の内にあります。では、その事実を突きつけられた野桐はどう応えるのか・・・
紐倉の科学へ探究心、野桐のスポーツへの思いが正面からぶつかり合う今回のストーリー楽しみにして下さい。
それでは、2019年4月23日発売のイブニング10号に掲載されているインハンド11話キマイラの血⑥のネタバレと感想をお届けします!
インハンド11話のあらすじ
WADAの検査員をかたってレース直前の野桐を訪ねた紐倉は、遺伝子ドーピングの事実を野桐に突きつけます。しかも、ドーピングが元で急性骨髄性白血病になった事実を告げるのです。
そうなんです。確実かと思っていた体外での遺伝子操作で深谷クリニックは大きなミスを犯してしまったのです。ターゲットではない幹細胞を除去せずに体内に戻してしまったのです。そしてその結果が急性骨髄性白血病だったのです。
しかし、ドーピングの証拠は残っていません。東京国際マラソンのスタート直ぐそこまで来ています。病気になる事も覚悟でトップを目指して突き進んできた野桐は果たしてレースに出るのか、紐倉の言葉に心を動かされてレースを取りやめるのか・・・
レースの号砲は今まさに鳴ろうとしています・・・
インハンド11話のネタバレと感想
WADAの調査と偽って野桐と面会した紐倉と高家は、自分たちがWADAから派遣されたのではない事を素直に話します。そして通報する気がないという事も伝えます。
そして、遺伝子ドーピングのからくりを紐倉は話し始めます。
自分の造血幹細胞を取り出して、遺伝子操作を行って体内に戻すという遺伝子ドーピングを行ったのだという事実を紐倉は野桐に突きつけたのです。
そうなんです、体内で遺伝子操作を行うと、関係ない遺伝子までも書き換えちゃう危険性があるんですよ。ちょっと難しい言葉で言うとオフターゲット効果って言うんですよ。
でも、今回の遺伝子操作は「体外で行った」のが大事なポイントなんですよ!
体外だからこそ、ミスでもなければ、オフターゲット効果を起こした細胞を取り除く事が出来るのです。
こうして野桐は、「人工マンティランタ」(フィンランドのスキー距離競技選手で遺伝子ドーピングで金メダルを獲得した。そして20年後、科学の進歩によってドーピングが暴かれた)になったのでした。
その事実を突きつけた紐倉に野桐はこう言います。
「ドーピング検査で一度も引っかかった事がない」と。
その言葉に紐倉はこう切り返します。
「生理食塩水を点滴して検査に引っかからない程度に血を薄めてたからだ。しかし、レース当日点滴を少なめにすれば身体の赤血球が増えた状態なのでパフォーマンスを上げる事が出来る」
そして、「増えた赤血球はレース中に消費されて、レース後のドーピング検査には引っ掛からない」と。
何も証拠が残らないのですから、ドーピングを隠すにはこれほど都合がいいものはありませんよね。
しかし、ここで紐倉の口から驚くべき言葉が出るのです。
「いい方法だったのに残念だな。急性骨髄性白血病を発症したのだ。」と。その証拠に野桐の父親がドナーとなっている事を紐倉はつかんでいました。
野桐はこう応えます。「俺をゆすろうとしたって無駄だ。証拠はない」と。
「確かに証拠はない」と紐倉は静かに言います。野桐の過去の遺伝子は残っていませんし、骨髄移植をすれば今現在の遺伝子も消えてしまうのです。真相を知る東野コーチは死にました。科学で暴いたものの、その証拠は跡形もなくきえてしまったのです。
「今日は走るのを止めた方がいいよ。症状も出ているようだし」と高家はいさめました。
その症状は確かに腕に出ています。
しかし、野桐はこう宣言します。
「僕は走りますよ」と。
支えてくれる人、応援してくれる人、そして自分の為に。
多くの人が応援している野桐のような国民的スターは、きっとファンの期待を裏切れないというプレッシャーもあるんでしょうね。そして、ドーピングまでしてトップを目指した自分を信じたいという思いも強いのでしょう。それほどマラソンというスポーツは価値があるという事なのだと思います。
そして、野桐はこう続けます。
「マラソンは心の競技です。心が強ければなんだって乗り切れる」
その言葉に高家はこう気色ばみます。
「ドーピングをしておいて心が強いだと」
確かに高家の言うことは良く分かります。理屈ではそうですよね。でも、常に勝負にこだわる選手の気持も分からないではありません。スポーツ選手に限らず、普通の人だって目的の為に手段を選ばないなんて事はある訳ですし。
ところで、中長距離のメダルの40%を独占しているケニア勢です。その多くはカレンジン族。高地に住み、生まれ持って赤血球濃度が高く、そして手足が細い、まさに中長距離の為に生まれて来たような民族なのです。
野桐は彼らに近づく為にどんな練習もやりました。苦しみにも堪えました。しかし・・・
「でも、勝てない」
残ったのは限りない絶望だけです。
そして諦めかけていた時に目にしたのがEPO(赤血球を増やす効果がある為、ドーピングに使用される薬剤)の瓶だったのです。悪魔がささやいた瞬間でした。
野桐は、その瓶を見て、こう悟ったのでした。
「そのときはっきりわかりました。自分に足りないものが強い心だと」
それは、野桐に大きな希望を与えたと同時に、ドーピングの誘惑に負けた瞬間でもあったのです。
野桐は吐き出すようにこう言い放ちます。
「天然の遺伝子の差は許さえているのにどうして人工はダメですか。神様が決めたことなら良くて、自分がつかみ取ったものはダメですか」
その問いに、紐倉はこう静かに応えました。
「そのせいで白血病になってもいいと?」
野桐は、こんな答えを返します。
「何かを成し遂げない人生になんの意味もない」
「僕は誰よりも練習した。勝利は最も努力したものに与えられるべきだ」と。
そう宣言して、ついに野桐はレースに向かうのでした。
それだけに、このレースに賭ける思いは誰よりも強いのでしょうね。ここまで来て、レースを止める事など野桐には絶対にあり得ないことなのでしょう。
そして今号砲が鳴り響きました。
野桐は「最も努力した者」に与えられるものをその「強い心」でつかむ為に、その全てを賭けて走り始めたのです。
果たして、野桐がつかむものは栄冠なのか、それとも・・・
まとめ
その天才的な能力と科学の力で遺伝子ドーピングを暴いた紐倉、そして遺伝子ドーピングをして白血病になりながらも、栄光をつかもうとする野桐。
ドーピングの証拠はありません。今回はこの二人の言葉による対決が大きなテーマになっています。
ケニア勢の神が与えてくれた遺伝子はことマラソンという競技には優れた能力が発揮出来ます。では、遺伝子の違いでスポーツの結果が左右されるのが本当に平等なのか。
野桐は「彼らとイコール・コンディション(遺伝子ドーピングで同じ立ち位置に立つ事)にしただけだ」と言います。
スポーツは、遺伝子でも変わりますし、靴でもウェアでも違いが出て来ます。お金があれば高地トレーニングだって出来ます。でも、貧しい選手はそれが出来ません。
それが本当に平等なのか、そんな事を考えさせられるストーリーでした。
さて、野桐は病気を抱えながらレースに出場しました。果たして、最後まで走り切る事が出来るのか、そして、遺伝子ドーピングについてカミングアウトするのか、今後が大に気になります。
もう一つ、東野コーチの死の真相についてまだはっきりしていません。どうして東野コーチが死んだのかも早く知りたいですね。
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